はじめてのセックスのことは前回書きました。
今日はの日の思い出をひとつ。
最初に私たちがセックスしたのは、平日の日中。
その日の凛は、夕方から高校の同級生達(彼女曰く“熟女会”だそうな)に向かうので
ラブホテルを出て、一緒に東京の夕焼けを見ながら山手線に乗りました。
単なる出会い系であった初老の中年カップル。周囲にはどう写ったのでしょうか。
私はセックスを終えて、さっきまで激しく腰を振っていた彼女とは思えない
落ち着いた女性の佇まいに愛おしさを感じました。
ぶっちゃけ最初は「セックスだけが目当て」であったことは半分本音です。
カラダだけが目的で、ハメるだけハメたら、その女に対しては興味が失せる。
出会い系で知り合った女性に対してまるで、
風俗嬢のようにぞんざいに扱ってきました。
山手線で窓に持たれ向かい合って、彼女の顔をしみじみ眺めます。
50歳に近づいている凛の顔には、小さなシミやシワが多く
これまでの人生を感じさせるものでした。普通に見れば「只のおばさん」でしょう。
ですが、セックスを終えて私が抱いていた感情は
「愛おしい」という表現がしっくりくるというものでした。
そして時折見せる天真爛漫な笑顔は、本当に少女のようでした。
私はつい(無意識に)こんな言葉を呟いてしまいました。
「おまえ、笑うと可愛いなあ」…と。
凛は「カワイイって言われるの嫌だわ…」って少しはにかんで微笑みました。
これは、あとから聞いた話ですが、凛は少女時代から周囲に「かわいいね」って
言い続けられて育ったそうです。
本人が告白しているように、彼女は中学時代から
毎日のようにセックスをしまくってきた、いわゆる
「ニンフォメニア=淫乱」とも言える行動パターンでした。
だから「かわいい」という表現は「女っぽくない」というか
「色気がない」という解釈が彼女の中にあるようなのです。
でも、私が見た彼女の表情は、本当に少女時代を彷彿とさせるような可愛さでした。
50歳近い熟女に、遠い昔の美しさを見てしまったのです。
目的の駅の手前で、私たちは別れました。
別れ際も、またあの天真爛漫な笑顔で彼女は手を振ってくれます。
帰り道、私の中にある感情を発見したのです。
これって「もしかして恋してる?」…と。
別れたあとにこみ上げてくる、なんとも切ない感覚。
50歳を超えた初老のオヤジが感じる感情なのか?
…と何度も自問自答しましたが
甘く切ない感触はずっと胸のなかで、ほんのり暖かく灯っています。
そして思ったのです。
50歳になって、やっと探していた女に出会えた…と。
私が、探していたすべてを凛は持っていました。
綺麗であること、上品であること、思いやりがあること、
そして淫乱であること。
彼女のこの先もずっと一緒に居たい…。
そう決心した日でした。2011年の年末の出来事です。
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